注文住宅を建てる際、最初に決めるべきなのが土地探しです。 ただし、何から始めてもよいかわからないので手探りで進めてしまうケースも実は少なくないです。 理想の土地を見つけるためには、事前の準備と土地探しのコツをしっかり押さえることが大切です。今回のコラムでは、効率的に土地探しのためのポイントを詳しく解説します。
土地探しを始める前に必要な準備
土地探しをスムーズに進めるためには、以下の3つの準備が重要です。
1. 家を建てたい場所の決め方
通勤・通学の快適性や、子育てに必要な施設や行政サービスが充実していることを基準に、複数の候補エリアを挙げてみましょう。また、土地の購入費用だけでなく、建物の建築費や税金、手数料などの付随費用を含めた総予算を検討することが重要です。設定した予算が、希望エリアの土地価格に見合っているか確認することで、無理のない計画を立てることができます。
2.希望条件を整理し、優先順位をつける
例えば「駅から徒歩10分以内」「50坪以上の広さ」「日当たりの良いリビング」など、自分が土地に求める条件を一度リストアップしてみましょう。 「これだけは譲れない」という必須条件と、「まあまあよい」と考えられる条件を明確に整理することで、候補地を絞り込む際の判断がスムーズになります。
3. 土地購入までの流れを把握する
土地探しから購入までは次のステップを踏むのが一般的です。
土地探し
「買付証明書」で土地を仮押さえ
住宅ローンの仮審査
「土地の契約・重要事項説明」で手付金を支払う
住宅ローンの本審査
金融機関と金消契約
土地の引き渡し・登記手続き
土地探しには3ヶ月から1年程度かかることもありますので、余裕を持ってスケジュールを組みましょう。
土地探しを成功させるための3つのコツ
理想の土地を見つけるには、以下のポイントを押さえることが重要です。
1. 理想の暮らしをイメージする
土地探しの目的は、土地を購入することそのものではなく、その土地に家を建て、理想の暮らしを実現することにあります。 それに合った土地を選ぶことが成功の鍵です。将来的に必要となる(学校や医療機関など)の近さや、家族の成長に対応できる広さを考えて選びましょう。
2. 現地で確認する
選択肢があれば、必ず現地を訪れて土地の雰囲気や周辺環境を直接確認してください。 実際に足を運ぶことで、日あたりや騒音、近隣の安全など、地図や写真ではわからないことが認識できますまた、曜日や時間帯、さらには天気によって街の雰囲気が変わることもあります、異なる条件で複数回の現調をおすすめします。
3. 決断を早める
条件の良い土地ほど、他の買い手がすぐに決まってしまうことが多いです。 すべての希望を満たす土地を探すのは難しいため、希望条件の70~80%を満たしていれば決断することも重要です。 完璧を求めすぎると、土地が手に入らなくなってしまう可能性があります。
土地探しの方法
土地を探す方法はいくつかあります。それぞれの特徴を把握し、状況に合わせて使い分けましょう。
1. インターネットを活用する
不動産情報サイトを使って条件を絞り込む検索は、効率的で便利な方法です。希望エリアや価格帯、土地の広さなど、細かい条件で検索できるため、短時間で多くの選択肢が見つかります。ただし情報が最新とは限りませんので、気になる物件があれば早めに問い合わせることをおすすめします。
2. 不動産会社や宅建士が在籍する工務店に依頼する
地域の不動産会社に相談すると、地元ならではの情報や未公開物件をもらってしまうことがあります。また、エリアの特性や敏感性に関する詳しいアドバイスも受けられるのがメリットです。
3. 実際に歩いて探す
エリア希望を実際に歩いてみて、売地の看板や掲示をチェックする方法です。地図や写真ではわからない、地域の雰囲気やアクセス性を肌で感じられる点が大きなメリットです。 「環境の良さ」を重視する方にはこの方法が適しています。
理想の土地を見極めるチェックポイント
土地を選ぶ際には、以下の10項目をチェックしてみてください。
①周辺環境
スーパーや学校、病院など、生活に必要な施設が近くにあるか確認しましょう。また、騒音や騒音など、実際に現地を訪れて雰囲気を感じることが大切です。
②面積・形状
希望する間取りや家のデザインが実現できる広さや形状など確認してください。 整形地は設計自由度が高い反面、価格が高い場合が多いです。 不整形地や竿地も検討すると選択肢が広がることがあります。
③高低差
土地に高低差がある場合、擁壁盛土などの工事費や増加する可能性があります。雨水の流れや地形の安全性も含めて確認することをおすすめします。
④境界線
隣接する土地との境界が明確である場合は必ず確認しましょう。測量図や境界標が設置されている境界をチェックし、境界が不明確な場合は販売主に測量を依頼することが重要です。解決しない土地は、購入後に隣地所有者とのトラブルに発展する可能性があるため、事前に解決しておくことが必要です。
⑤災害リスク
ハザードマップを確認して、洪水、地震、土砂災害などのリスクがないか調べてみましょう。安全性の高い土地であることは、長く安心して暮らすための基本条件です。
⑥道路状況
土地に接する道路の幅や種類(公道・私道)を確認。セットバックが必要な場合もあります。
⑦地盤
地盤が弱い場合、建物を支えるために地盤改良が必要になることがあります。地盤調査を行い、必要に応じて予算を組むことを考えましょう。
⑧インフラ
上下水道、電気、ガスなどのインフラが整備されているかどうかを確認しましょう。 インフラが未整備の場合、引き込み工事が必要となり、その費用が追加で発生する可能性があります。
⑨法規制
用途地域、建ぺい率、容積率、斜線制限など、土地に適用される法規制をしっかり理解しましょう。これらの規制を確認することで、その土地に希望する家を建てられるかどうかを判断する材料になります。
⑩建築・生活の障害
敷地内や周辺に樹木、電柱、ガードレールなどがないか確認してください。 これらは工事の不安や生活上の障害になる可能性があります。 撤去や対策には追加の費用がかかる場合もあります。
希望の土地が見つからないときの対処法
希望の土地がなかなか手に入らない場合は、以下の対策を試してみましょう。
エリアの範囲を広げて探す
特定のエリアにこだわりすぎる場合、選択肢が限られてしまいます。隣接するエリアや少し条件を緩和したエリアも視野に入れることで、新たな選択肢が見つかる可能性があります。性、生活環境を考慮しながら柔軟にエリアを見直しましょう。
土地の形状や方角に対する条件を緩める
整形地や南向きなどの人気条件に絞りすぎると、選択肢が限られがちです。 不整形地や旗竿地、北向きの土地は価格が抑えられる傾向があるため、条件を少し緩めることで掘り出し物の土地を見つけられる可能性があります。
建築条件付き土地や古家付き土地を検討する
更地にこだわらず、建築条件付き土地や古家付き土地も選択肢に入れてみましょう。
理想の土地を見つけるためには、事前準備と効率的な方法を重視することが大切です。 まずは理想の暮らしを具体的にイメージし、そのビジョンに合った土地を探しましょう。気になる土地が見つかったら、現地を訪れて確認し、条件を満たしている場合は早めの判断を心がけましょう。
ぜひこの記事を参考に、理想のマイホームを実現する第一歩を踏み出してください。